冷たいあの人は、私の旦那様です。
「…わかった。てか、何を取りに行ってもらってたのよ。」
そう聞くと彼は、
カバンからひとつの箱を取り出して、
私に見せた。
「これ。」
「……ッ!!!」
私は泣きそうになった。
ううん。もう涙が出てる。
「ちょっと前にこれ欲しいって
言ってただろ?
だから、記念日に渡そうと思って。
本当はもっと早くできる予定が、
手違いで今日渡せることになってさ。
すまなかった。
いらぬ心配や不安をかけて。」
彼は、真剣な目をして謝った。
プライドが高い彼が
土下座して、謝る姿を見て、
なんだか
怒っていた気持ちが
すーっと収まった。