続犯罪彼女

「君はブレないね」

「何の話だ」

「こっちの話」

掴まれていない右手ですーちゃんの胸ぐらを掴み、引き寄せる。
驚いている彼に、そのままキスをした。

私からするのはいつ以来だろうか。



街中、人混みでのキスなんてそもそも初めて。すーちゃんは顔を真っ赤にしながら放心状態。こんな表情久々に見た。可愛いな。

「わかろうとしなくていい。どうせ理解できやしない。
私は悪者だから、すーちゃん、君も私を嫌いになっていいんだよ」

力が緩んだ彼の手を振り払った。

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