Sweet Lover
「頼太、お前が緩すぎるんだ。
 いくら次期ご当主様のご学友とはいえ――」

「はいはい。
 説教ならまた家でお願いします。
 患者さん待ってるんだろう? ありがとね」

じゃ、と、先生は足早に病室を後にした。

「あ、の。
 保険証とか、いらないんですか? 支払いは?」

「いいって、別に。最終的には響哉の財布から出て行くんだろ?」

いや、そういう問題じゃないような――。

私の疑問を無視して、病院を後にする。


……なんだか、疑問はますます増えただけな気がします……。
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