Sweet Lover
「キスとか、し……」

しないですよね? って聞く前に、唇がそっと額に触れた。

「いくらでもしてあげるよ。俺のこと、苗字で呼んだり、丁寧に話したりするたびに」

しれっとそんなこと言わないでください。

「……違いますっ。しないでって、言いたくてっ」

思わず声をあげる私を見て、響哉さんは優しく笑った。

「それだけ元気になったら少しは大丈夫、かな。ほら、横になって? 電気は消さないほうが良いのかな?」

「一番小さいのにしても、大丈夫」

響哉さんは即座に蛍光灯の紐を引っ張って、灯りを小さくしてくれた。

「明日、ベッドサイドテーブルとルームライトを買いに行こうね」

溶けそうなほど甘い声で優しく言うと、動揺している私をそっとベッドの上に横にさせてくれた。
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