Sweet Lover
不意に訪れた睡魔に、逆らわずにテーブルに伏せる。

朝、無駄に早起きしすぎたせいか、それとも――。
昨夜、真朝を腕の中に抱き寄せたまま、しばらく寝付けなかったせいか――。

こんなに胸がざわつくことがあるなんて、思ってもいなかった。
しかも、相手は生まれる前から知ってる子だって言うのに。


ひどく息苦しくて、眩暈がして。

――何、振り回されてんだろ、俺――。

馬鹿馬鹿しくて苦笑が浮かぶ。

『人を好きになったことなんてないから、分からないのよ、アナタには』

随分昔、俺にそう言い放ったのは、誰だったか。
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