Sweet Lover
「ううん、響哉さんのせいじゃない、もの」

これは、多分私の問題。

「じゃあ、今はその話は一端お預け。
ね? 折角の料理、マーサが楽しんで食べてくれないと何の価値も無いんだけど」

「はぁい」

噛んで含めるように諭されれば、私も気持ちを切り替えるほかない。

もっとも。
響哉さんがきらりと零す笑顔を見れば、それだけで。
私の気持ちはピンっと、良く乾いた洗濯物のように爽やかな気持ちに戻るのだけれど。
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