Sweet Lover
「……あ、うん。
 なんか、昔のこと思い出しちゃって」

「辛い?」

響哉さんが、何故か酷く申し訳無さそうな顔で私の顔を覗き込むから、思わず首を横に振る。

「ううん、平気」

「そう」

……えーっと。
だったら良かったとか言いながら、ものすっごく自然な感じでタオルケットの中に潜り込んでくるのは、えーっと。

……やめてもらえます?

「大丈夫、大丈夫」

不審そうな私に向かって、とびきりの笑顔をくれる。

「……え?」
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