桜吹雪~運命~
序章







あなたは、自分の名前は好きですか?

その由来を、聞いたことはありますか?









「行ってきます!」



毎年、4月1日。

高校2年生のあたし、

野桜小町(のざくら・こまち)はいつもの場所へ向かう。



ん?待てよ。

高校2年生って表現は可笑しいかな?

まだ始業式はしていないし。

1年生になるのかな?

…細かい所は置いておいて。



ところでどう思う?

あたしの名前。

野桜小町…いかにも和風な名前。

そして、大和撫子を想像させそうでしょ?

あたしも、名前自体は好きなの。

…名前自体はね。



でも、あたし自身は、大和撫子とはかけ離れている。

生まれつき茶色い、肩までの髪。

目は一重で、目つきは悪い方。

視力はそこまで悪くないんだけどね。

認めたくないけど、太めのバディ。

150ぐらいしかない、チビな身長。

…美しく、着物が似合いそうな大和撫子とは、北海道と沖縄ぐらい離れている。








< 1 / 137 >

この作品をシェア

pagetop