桜吹雪~運命~

この名にかけて









「王政様!?」

「どちらへ行かれるんですか!」

「王政様!!」




遠矢くんが通るだけで、誰もが道を開け、頭を下げる。

…改めて、遠矢くんが三神王政だと知らされる。




「外に出てください」

「王政様!」




目の前に立つ男の人。

頭を下げる男たちとは格が違うんだと、あたしでもわかる。




「…上ノ宮さん」

「どういう意味ですか?」

「上ノ宮さん。
あなたにはお世話になりました。
…僕、ようやく決心がついたんです」

「決心…?」

「それを外で話します。
家の中にいる者を、全てあの場所へ」

「…か、かしこまりました」




あの場所…?

あたしは首を傾げる。




「小町さん、心配は無用です。
僕に、ついてきてください」




…こういう台詞は、イケメンだから良いのかもしれない。

あたしは1人でドキドキした。







< 115 / 137 >

この作品をシェア

pagetop