甘い言葉で


「え?あゆみもゆっくんが気に入ったの?その気がないなら、私に譲って?頑張るからさ!」


「あのさ、あたし、恋したいとも何も話してないんだけど?」


お二人さん、あたしを巻き込む出ないぞ?



―――――――――――――――――――



「おーい、柚希。話聞いてるか?」


塾長が1番年上の俺たちを集めて最終確認をしている。


「あ、はい。すんません」


「頼むぞ!お前達が頼りなんだからな?じゃあ、次の項目な.........」


さっきぶつかった『あゆみ』って子、何処かで会ったことがあるんだけどな.........
ダメだ、思い出せない......。


「おい、ユズ。さっきから何考えてんだよ。可愛い子でも見つけたか?」


俺の隣で肘をつついてくるこいつ、健太朗。名前が長いから皆は『タロー』って呼んでる。俺もだけど。


「ん?まぁ、そんなとこ」


タローにはとりあえずの返事を返しておく。


「今年もお前を狙ってる女子がたくさんお見えですしね~選り取りみどりってか?」


俺に耳打ちしながらタローが指を差す。
そこには塾長の話を聞いている素振りで俺達の方をチラチラ見ている女達がいる。


然り気無く視線をやると頬を赤くして小さく手を振ってくる。隣のタローを見るとこいつも手を振り返してる。
タローも何気にモテるんだよな。


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