甘い言葉で


しかし、だよ?
さて、整理しましょう。


サチの住んでる団地で遊んでいて......
助けを呼んだのがタローちゃんさんで......
助けてくれたのはお友だちで......
ユズくんはタローちゃんさんのお友だちで......
助けてくれたお兄さんはユズくんで.........


すんごい偶然.........
ありましたな。
あるもんですね。


もう一人のあたしの心の声は、
『って、マジですかい。あたしとユズくんって『初めまして』じゃないんだ.........ってか、覚えてなくてすみません!!』


ちらっと、ユズくんの方を見ると.........
あれ?微笑んでますよ、この人。
何ですか?あたし、ボケてもいませんけど?


「あゆみちゃんの百面相、面白いね。やっぱり、好きだわ」


ユズくん......何を一人で納得されてますの?
教えてください......


「は?面白いから好きって......なんで?」


「そう、それ。うん。いいね、あゆみちゃん」


ユズくんはあたしの返事も聞かずに握手をしてにっこり笑った。
つられてあたしも笑っちゃったよ。


たぶん、ひきつっていた顔だと思うけどね。


< 41 / 101 >

この作品をシェア

pagetop