甘い言葉で


取り合えず、一緒に行くことにはなったんだけど......
このあと、どうする?
サチちゃんと美幸ちゃんは苦手なのか初っぱなから騒いでるし。



歩きだす前から、俺の頭はフル回転。
まず、俺とあゆみちゃんとの距離が大事だよな。
左側に立ってみたものの......
『こんな時、どうすればいいんだ?』
なんて悩んでいるのに、俺の身体は勝手に反応してあゆみちゃんの肩を抱き寄せていた。


が、あゆみちゃんが嫌がっていない。
これって、いい感触か?
にしても、後ろの2人は騒がしい。
何が怖いんだか......



さて、まず1つ目クリア。次は、後ろの2人よりもあゆみちゃんとの会話だ。
何を話せばいいんだ?少し年下だけど2つ3つ違ったら観ているテレビ番組も違うだろうし会話が続くか?
無難なところで質問してみるか。


「あゆみちゃんは何が苦手なの?」


彼女もまさかこんな質問がされるとは思わなかったのかな?変だったか?
ま、父親がダメだって聞けたし、結果オーライか?



その後も他愛もない会話を続けることができた。
目的地に着いて棒を置いたら逆戻り。
もっとあゆみちゃんとの会話を楽しみたくて、また彼女の肩を抱き寄せた。


みんなの元に近づいたとき、俺の手があゆみちゃんの肩を抱いているのがウルサイ女共に見つからないようにそっと離した。


もっと引っ付いていたいと感じたのはタローにバレないようにしないとな。


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