WiSΗ

水曜日の試合。

あたしは
最悪なスコアだった。

練習に来たときよりも
だいぶ悪かった。

あたしは
当たり前に
お父さんに怒られた。

今日は
お兄ちゃんにも
怒られた。

だけど
それは
お父さんたちの前だけで…

お父さんも
お母さんも
あたしが何を言っても
聞いてくれないから。

あたしは
最初は
言い返してたけど
何も伝わらない。

それどころか
説教の時間が延びる。

だから
ただ我慢して聞く。

お兄ちゃんは
あたしを部屋に呼んだ。

「本当は何はなしたかったんだ?」

「別に…」

あたしは
ちゃんとあたしの事を
分かってくれるお兄ちゃんがいて
幸せ。

嬉しかった。

あたしは
自然に涙が出て
とまらなかった。

お兄ちゃんは
そんなあたしを
優しく撫でてくれた。

お兄ちゃんは
あたしに

「ばか」

って。

お兄ちゃんの顔は
かわいくて
なんだか心が和んだ。


お兄ちゃん…

でも今日は
ちょっと違うんだ。

つい最近まで忘れてたのに…

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