WiSΗ
「美優ー!」
「はぁーい!」
「ちょっとー!」
あたしは
お兄ちゃんの部屋に
呼ばれた。
「なんか落し物してない?」
「ん?してないとおもうけど…」
お兄ちゃんは
机から
何かを取り出した。
「Tって誰?」
「えっ…」
お兄ちゃんの手には
あたしがつけてた
ケータイのキーホルダー。
あたしは急いで
ケータイを取り出した。
「あっ…」
おっきめのTと
ちっちゃめのTを
つけてた。
ちっちゃめのTが
なくなってた。
「とっ友達だよ!」
「本当に?」
「もらったそ!」
「鈴村じゃないんだ?」
「当たり前!あんなやつ…」
「この人はどんな人?」
「えっと…」
あたしは
やっと気付いた。
お兄ちゃんは
変な笑みをうかべてた。
「美優ってばーか!」
なんていいながら
ちゃんと
キーホルダーを返してくれた。
そのキーホルダーは
もう
汚れて
破れそうだった。
「美優!やっぱそのキーホルダー貸して?両方!」
「あっうん。」
あたしは
お兄ちゃんに貸した。