白雪姫の王子様




「……どうかした?」


「ひぇ!? な、何でもないよー。あははは……」


「何をしとる。ボーッとする暇があるなら、早く朝食を食べんか。初日から遅刻してもしらんぞ」


「ほんとだ!」



見ると、時計は8時を指していた。


ここから学校が近いからとは言え、悠長にくつろいでいる時間など私にはない。



「ごちそうさまでした」



お味噌汁とご飯を一気にかきあげ、手を合わせた。



「じゃ、行こっか」


「へっ……?」



カバンを肩にかけ、犀川くんは椅子から身を離す。


高校って始まる時間がバラバラだから、てっきり犀川くんの学校の開始時刻が私のとこより遅くてゆっくりしてるんだと思ってたけど。


もしかして、私のこと待っててくれたの?





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