貴方にもらったキャンディをまだ私は食べられない
食べられなかった。
何回も食べようと思ったけれど、そのたびに遥斗の顔が浮かんできて、せっかくもらったキャンディを手放すことができなかった。
勿論、むこうは特に何の感情もなく渡したのだろう。
でも、私にとっては大切な宝物になった。
5年もたったので、中身は溶けてベタベタになっているだろう。
だから、思いきって高校に入った時に捨てようと思った。
捨てるつもりだった。
中学は別れてしまったから、もう会えないと思った。

同じ高校に入ってこない限りは。
でもとうとうそのキャンディが捨てられることも食べられることもなかった。

高校で再会してしまったから。
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