噂の京くんの素顔
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目が覚めるとベットの上にいた。
あれ、私…。そっか、あのまま倒れちゃったんだ。
カーテンの隙間から日差しが差し込んでる。
今日が土曜日で助かった。
「…ん」
私の隣でモゾモゾと何かが動く。
え、待って…もしかして私、結城京の家にいる?
「わっ!」
向きを変えた結城京が、寝たまま私を引き寄せた。
まさか、夢見てる?
私を抱き枕ごとく抱きしめてくるけど、どんな夢見てるんだろう。
やばい…ドキドキして心臓壊れそう。
何分くらいだろうか、もうそろそろ死ぬんじゃないかってくらいのとき、
「……チッ」
頭上でものすごい舌打ちが聞こえて、結城京の温もりが消えていった。
私は何をやってんだ。