噂の京くんの素顔
それからしばらくして、とりあえずここを出なきゃいけないことに気づいた。
あの男が、敵なのか味方なのか。はたまたボスなのか。
部屋から顔を出すと、そこには長ーい廊下。ところどころにシャンデリア。
もう絶句だよね。夢でも見てるんじゃないかって。
「…おーい」
私のか細い声なんて多分隣のドアにも届かないだろう。
こんなところ、初めて来た。ていうか勝手に連れてこられたんだけど。
身の危険しか感じない私は、とにかく部屋を出ることにした。