LOVE WORLD




―…



『人、沢山いますね~』

「はぐれんなよ!」

『はーい』


ゲームセンターは沢山の人が賑わっていて、周りの音で先輩の声も聞き取りづらい。



『わぁ!!このマスコット可愛い!!』

「あ?」


先に進んでいた先輩が私の目に向いた方を見て止まった。
私が見つけたのは白うさぎのマスコット。



『でも、無理だよね…「これが欲しいの?」


諦めて先輩の横に並ぼうとしたのに先輩が今度はUFOキャッチャーの前から離れない。



『先輩??』


先輩はズボンのポケットから財布を出してお金を入れた。



『ちょ!!先輩!!』

「いいから見てな」


先輩に駆け寄ると自信に満ちた笑みを見せて、クレーンをゆっくり操作した。


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