同級生

『疲れた…。もう寝るね』

「うん、おやすみ」




彼女と話せて…元気な声が聞けて、僕はひとまずホッとした。



彼女の……



心の奥底は見えずに…











翌朝、


ーカンカンカンカンカン



僕は激しい金属音で目が覚めた。



「…っ、なんだぁ!?」



寝起き眼でぼんやりと…


母が鍋をかかえ、叩いている姿が見えた。



「早く起きなさい!今日は東京見物に連れてってもらうわよ!」

「は……」






すっかりテンションの高い母に振りまわされる日曜になった。





大体遊び終えた午後、ファミレスで息をついた。



「もう…ヘトヘトだ…」

「若者が情けないこと言ってんじゃないわよ!」

「母さん……、元気そうで安心したよ」

「あんたたちが身を固めるまではくたばっちゃいられないわよ」

「じゃあずっと固めずにいよう」

「何言ってんのよ!そんなの許さないからね」



口うるさかったりするけど、いつまでもこのままでいてほしい。



なんて、コーヒーを飲みながらしみじみ思った。



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