同級生

「じいちゃん、足大丈夫なのか?」

「今日は調子がいいから…ほれ、ほれ」



祖父はふざけて足踏みをして見せた。



「ははは、やめろよ。くじいたら散歩行けなくなるよ」

「そうじゃな。じゃあ行こうか」





しばし祖父と散歩を楽しんだ。

懐かしい通学路だ。

のどかで気持ちがいいな…。



僕ももう…

帰って来ちゃおうかな…






「高原さん!調子は良いのかい?」

「ああ、絶好調さ!なんせ東京から孫が帰って来たんだ。くたばっちゃおれん」

「お孫さんかい?東京からぁ」




祖父は近所の友達と話が弾んだ。




いつの間にか僕は浮いていた。





「じいちゃん、懐かしいからちょっと学校まで歩いてきていい?」

「ああ行ってきなさい。じいちゃんは山口さんともうちょい喋って先に帰っとるよ。気をつけてな」

「うん、じいちゃんもな」



祖父と別れ、学校へ向かった。

なんだか急に行きたくなった。







学校はまだ夏休み中。帰り際の部活の生徒と何人かの教職員はいる。



「こんにちはー」



< 49 / 164 >

この作品をシェア

pagetop