追憶のエデン
何が起こっているのか想像すら出来ない。

ただこのルキフェルの防壁の向こうでは地獄が広がっているんだと思うと、恐怖で動けなかった。
そんなあたしに気付いたのか、ルキフェルの掌が両目を覆い完全に視界が閉ざされると身体がふわりと浮いた。


「帰ろう、未羽?」


優しいルキフェルの声が耳を通り抜け、あたし達はその場を後にする。









――純粋で悲しい姉弟の最期。



――何故、こんな結末しかなかったのだろうか?






――ねぇ、グレン……。
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