オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
私はそのメールをすぐさま消去した。
 
今更そんなこと言われても、騙されたという事実は変わらない。
 
ピルピルピル……。
 
また、メールが届いた。
 
さやかからだった。

『私は、想太くんも梨聖も、どっちも大切だったの』
 
くっ、と私は笑みが漏れた。
 
似たもの同士のふたりじゃないか。
 
私の涙は、完全に止まった。
 
幸せに、どうか、幸せに。
 
それが、私に対する報いだ。

「梨聖ちゃん、おまたせ。ホットミルク」
 
引き戸を開けて、夢くんが入ってきた。

「ありがとう」
 
私は、笑みを見せた。

「あれ、もう元気になった?」

「うん。私には、夢くんがいるから。夢くんと、幸せになるんだから」
 
カラ元気ではなく、本当に笑顔でそう言える。

「……きみのこと、幸せに、できたらいいんだけど、な」
 
ぽつりと呟く夢くん。
 
私の顔は、見ずに、そう言った。

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