オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
「今日、3コマ連チャンなんだよね~。きついわ」

私は香林梨聖(こうりん りせ)。国立の大学に通う、2年生だ。

楽しい仲間がいて、それなりに彼氏もいて。

毎日愉快なキャンパスライフを送っていた。

「サボるか」

帆乃香が黒めがちな瞳を、くるんと回して言ってきた。

「さやかに代返頼むか」 

私もその提案に乗った。

統計学の教授は、毎回出席をとる。

しかも、抜き打ちテストなんてやるから、気が抜けない。

それに比べて、文化人類学の教授は、出席はたまにしかとらないし、テストはノート持ち込み自由だっていうし、ノートさえあれば試験はパスできるはず。

あまり真面目ではない帆乃香に私。

逆に、生真面目なさやか。

それに、今頃まだ家で寝てるだろう、鈴。
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