好きになんか、なってやらない
11章 ヤキモチ
 
やった。給料日……。


月末。
今日は一か月の中で、一番至福を感じる一日。

手取りで受け取るわけではないけど
急に懐が温かく感じる給料日だからだ。


さて、おなじみの場所に寄らないと……。


定時から1時間も過ぎたところで、そそくさとオフィスを退散。

毎月給料日は、通いづめているところがあるのだ。



やばーい……
すでに幸せ……。


目の前に広がる光景と、鼻をかすめる匂いで、すでに私は幸せいっぱい。
今私の視界に広がるのは……


「すみません、このバラエティパック20個入りと……マカロンの5個入りください」


綺麗に四角く一口の大きさに並べられた
チョコレートたちだった。


ショーケースの中に並べられるいくつものチョコレート。
一粒数百円と、決して手ごろな価格ではない。

それでもこうやって、通い詰めてしまうのは、それだけの価値がそこにはあるからで……



「お待たせいたしました」



今月もまた
数千円分のチョコが詰まった紙袋を受け取ると、ウキウキ気分で店内を出た。
 
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