SEL FISH

ストローを咥えながら祈璃は首を傾げた。

「なんで辞めたの?」

いつでもストレート。たまに見ているこちらがハラハラさせられる。

堂本さんがそれにきちんと構えているから良いけれど。

「なんかねー……合わなかった、じゃなくて我慢出来なかった」

「我慢?」

「狭い女子関係って、本当に仲良くならないと大変だから」

女子は大変らしい。

祈璃を見ても、堂本さんを見ても、感じる。

俺みたいに祈璃と大体一緒に居ても、男子から無視だとか省かれたりだとかはされたことがない。

「今が楽しいならそれで良し」

にこ、と祈璃が笑う。


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