SEL FISH

それともあたしの顔に何かついてるとか!
涎!? 寝癖!?

「気にしない?」

「え、アキが不良だったこと? あたし、アキが不良じゃなかったから仲良くしたんじゃないし」

あたしは中学のときにアキに何かされたわけじゃないし。

アキが納得してない顔で眉を顰める。
何が引っかかるのだろう。

「アキはさあ、あたしが可愛くなかったら嫌いだったんだ? 超馬鹿でー優しくなくてー可愛くなかったらー」

一個二個三個と指折り数えていく。
あれ、なんか重複してたかな?

「ならない、好きだった」

「でしょー、一緒だよ。あたしもアキがどんなに高校デビューしちゃってても変わらないもん」


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