SEL FISH

「アキ」

「面談終わり?」

「うん」

アキの後ろから入ってくる女性を見て、背筋をしゃんと伸ばした。

「うちの、母親」

アキの紹介文が入って、すこしナッコちゃんに似たアキママが微笑んだ。

「祈璃さんっていうのよね。ナツとアキがお世話になっています」

「こ、こちらこそ。あの、いつも遊びに行かせてもらっています」

深くお辞儀をする。
ママとジャンが来賓用のスリッパを返すと言って、来客用の玄関に行ってくれていて助かったと思う。

アキを気に入ったジャンがこの場で何を言うか分からないし。


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