SEL FISH

エプロンをしながら、スリッパを揃えてくれる。あたし達はそれを履いて、堂本さんを振り返った。

「ニ階の突き当りの部屋」

渋々といった感じに部屋の場所を教えてくれた。

堂本さんの部屋は、思っていたより汚い。本やCDが散らばっているわけではなく、兎に角、部屋に対して服の量が多すぎる。

「だから嫌だったのに!」

黙ってしまったあたし達に逆ギレをして、座る場所を作ってくれた。

「堂本さん、掃除すれば?」

アキが至って真面目なトーンで言うから、笑いそうになってしまう。アキは綺麗好きだから。

「しようと思ってたところなんだけど!?」



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