君色の手紙

出立

翌朝ーーー





私は朝靄(あさもや)の中、列車を待っていた。


無人駅だから、車掌さんもいない。



「…………。」




私は一人、駅のプラットホームに立っていた。



トランクを持ち、腕時計に目を落とす。


「…………もうすぐか。」


本当は、あと二日この町にいる予定だった。


でも、もうこの町にいる意味は見当たらない…。


「本当に、これでおしまいか……。」


苦笑いにも似た感情が私の顔からこぼれた。



これからは前を向いていこう!


過去は終わったこと!


それを取り戻すことも、直すこともできない!!


私は朝日を見上げ、新たな人生へと歩み出すことを誓う。





プァーーン




二両の列車が駅に入ってきた!
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