星空の奇跡【短編】

打ち上げ会場に集まると、楽団の団長さん、指揮者、お偉いさんの挨拶があった。



「かんぱーい!」



みんなで料理を食べたり、お酒を飲んだり。


でも、私は知り合いもいないし、お偉いさんにお礼を言って注いでもらったビールの残りを片手に、テラスに出た……。



本当は早乙女さんにお礼を言わなきゃいけないんだけど……女性に囲まれてて 近付けない。


囲まれたまま、困った顔で苦笑いをしている早乙女さんは、高校生みたいで少し可愛い。




ふと見てると、髪をくしゃっとした早乙女さんの左手の薬指には、キラっと輝くピンクゴールドの細い指輪がついていた。