恋は涙色
1章



「おい」

昼休み。
友達と笑って話していれば後ろから声をかけられる。
振り向けば無愛想な顔をした…一応、私の彼氏の小野寺 海斗が立っていた。

「…なに?」

次海斗がなんて話すかわかる。
だっていつもお決まりの言葉だから。

「コーヒー買ってきて」

ほらね。
海斗はそう言うと当たり前のことかのように私に100円を投げる。

和泉 唯、高校2年生。
人一倍明るくてみんなによくうるさいって言われるほどのハイテンション女。
…けど、海斗と話すときは別。
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