桃の姫〜最強姫の愛した族〜
バイクに跨り、街へと急ぐ。


飛ばしたからか、街へは5分もかからずに着いた。


家から街って結構近いんだよね〜。


バイクを止め、周りを見渡す。


あれ、いないじゃん。


悠里が遅刻なんて珍しいな〜。


いつもは待ち合わせの10分前にはいるのに。


待ってる間に作戦決めよーかな。


〝友達〟になっちゃったから離れて守るのも無理だし。


友達として近くにいる方が一番いいのかな。


「なぁに真剣な顔してるんですか?」


「眉間にシワ寄ってる」


「雪美、悠里」


そんなにシワ寄ってたかな?


「遅くなってごめん」


「大丈夫」


ポロシャツにジーンズという楽な格好をして爽やかに笑うのは、黒狼の副総長の落合悠里。


ニックネームは『ユウ』


私の幼なじみで、麗と玲也が懐いてる相手。


短めの髪は黒っぽい茶色とどこか中途半端で。


私と同い年だけど、どこか抜けてる真面目さん。


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