孤独女と王子様
母さんに休みがあるのは年に数日と、年末年始だけ。

その年末年始だって、海外に行っちゃって日本にちっともいないし。

そんな状況で由依ちゃんにいつ会えるって言うのさ。

『私、会いたいよ。剛さんのお母さんに。でもそれは女優だからとかそういうのではなくて、剛さんのお母さんだから、会いたいな』

由依ちゃんはワンピースを着て微笑みかけるもんだから、僕はもうその表情に、負ける。

由依ちゃん、ごめんね。

僕の理性、壊れたままもう二度と直らないんだよ。

頭の中が由依ちゃんでいっぱいになったことを自覚した僕は、丁寧にレモンイエローのワンピースを脱がしてハンガーにかけ、チョーカーはそのままの由依ちゃんを、心行くまで抱き倒した。

式の前日である翌週の金曜日、仕事終わりに由依ちゃんのアパートへ行くと、由依ちゃんは美容室で髪を切り、緩くウェーブがかかっていた。

その夜は、明日の式に向けて、どうしても由依ちゃんにしておきたかったことがあったんだ。

そしてそれを無事実行できて、満足した僕だった。
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