孤独女と王子様
前に"彼氏いないの?"と聞かれたことはあるけど"いない"と答えれば、それ以上突っ込まれることもない。

剛さんがさっき"友達になりたい"と言ってきたけど、そんなのだっていつまで続く関係かは分からない。

ましてや、剛さんは男性だ。
男女の友情なんてあり得ないと思う。

中学から高校までの同級生からは裏切られ、クラスの同級生の男子からも裏切られ。

だから私は人を信用しない。
これからも。

そう改めて心に決め、シャワーを浴びて、明日読む本を決めて、私はベッドに入った。

翌日読んだ本は、御曹司に偶然出会ったケーキ屋で働く女の子の話だった。
もちろん、ハッピーエンド。

すると、昼になって、メールが鳴った。

私は友達がいないから、メールの着信はお母さんか、店長くらいなもんだ。
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