孤独女と王子様
由依ちゃんの整った顔にはキラキラした宝石がよく似合う。

美大を卒業し、今は有名ブランドのジュエリーデザイナーをやっている友人の蒼(アオ)にデザイン画を渡して製作を頼んだ。

由依ちゃんの細く長い指に良く似合うデザイン。

問題は…サイズ。
だから今日は一度填めて、もう一度調整させることにしていた。

だから、場所が、こんな区役所の一角なんだけど。

『こんな高価なもの…』

由依ちゃんは恐れ多そうに見つめる。

やはり、ちょっとブカブカだ。
サイズは8号にしてもらったけど。

「由依ちゃん、サイズは何号?」
『7号、だと思う』
「うん。すぐ直させよう」

僕は一度指輪を回収した。

「あげたものを回収するなんておかしいかも知れないけど、ちゃんとしたものにしたいからさ」
『それよりも、その指輪の値段が…』

値段から気にするあたりは、由依ちゃんらしい。
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