孤独女と王子様
☆本当の家族になった時~side YUI~
翌日、私達は剛さんの車に乗って一旦鍬形の家に向かった。

「キャンプでしょ?準備はしなくていいの?」

そんな心配する私をよそに、剛さんは涼しい顔。

『由依ちゃん、自分の父親を見くびっちゃだめだよ』
「どういうこと?」
『あの人はアウトドアに関してはプロだよ。とにかく任せておけばいいの』

私は、実の父のことなんてほとんど知らないのに、見くびることもできないし、買い被ることもできないよ。

分かっていない人たちとキャンプかぁ。

お母さんはいるけど、最近あまり仲良く話した記憶はなし。
あとは啓慈くんだし・・・

ちょっと不安。

剛さんの服装は、昨日の蒼さんみたいな感じ。
短パンにTシャツ。

割と筋肉質だから、普通にTシャツが似合うけどね。

私は、Gパンに白いTシャツ。

黒い色の衣服は蜂に刺されるかも知れないからね。
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