孤独女と王子様
★そして人の親になる~side GOU~
4月14日。
この日は予定日1日前。
まだ陣痛の兆候がないので、僕は仕事に行った。

普通の家庭なら、母親が娘のために手伝うものだろうけど・・・僕達の場合はそれは無理。

由依ちゃんの母親の律子さんは、先程分娩室に入ったと舟さんから連絡が来た。
"そっちはどうだ?"と聞かれたので、"まだです"と答えて・・・でもいつ何があるか分からないので、携帯をいつも以上にチェックするようになっていた。

自分が出産しようと言う時に、自分の母も出産するなんて、世の中でもかなりレアケース。
だから仕方ないけど・・・僕は由依ちゃん1人にしておくのはとても不安だったので、午前中の会議が終わったら早退しようと思っていた。

僕の休みである火曜水曜で生まれてくれたらなぁ、と都合のいいことを考えたりして。

すると突然僕の携帯が鳴り、ドキっと画面を見ると、由依ちゃんからのメールだった。
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