孤独女と王子様
☆幸せの宴~side YUI~
私達の元に生まれてきた女の子は、咲良(サクラ)と名付けた。

咲良が生まれた時には正確にはもう葉桜になっていたけれど、いつの季節でも花が咲くのは良いことだと言うことで、剛さんが名付けた。

あと、生まれた時の肌が、桜色だったからって言うのもあるみたい。

私はわかば堂書店を産休・育休を取得し、来年の春、復帰しようと思っている。
まぁ、剛さんの仕事のポジション次第だけどね・・・

里絵子さんはいるけれど、初めての子育てはてんやわんや。
咲良のための毎日で、出産前のように剛さんと出掛けるどころか、私1人で出掛けることもなくなってしまっていた。

7月5日。
咲良が間もなく生後3ヶ月を迎えようとしていたこの日、遥香と桐生さんの結婚式が行われた。

海の近くの式場で行なわれるため、ちょっと家からは遠い。

私は"朝早く出よう"と剛さんに提案したものの、剛さんは近場で系列のゴールドクラウンホテルでの前泊を希望した。

里絵子さんが、

『行ってきなさいよ。なかなかないわよ。夫婦で結婚式に出るなんてことは。朝早い方が辛いわよ』

と、言ってくれたので、お言葉に甘えることにした。
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