孤独女と王子様
「はい。カンベと申します」

閉店間際で4Fフロアにはお客様はおらず、店員もレジにいる私だけ。

『あれから、本を読んだのですが・・・すみません。全く頭に入らなくて』

するとホテルマンは、購入した本をカバンから出した。

『それからこの本を持つだけで、貴方を思い出してしまって』
「私、ですか?」

こんなイケメンに私を思い出すとか言われると、何だか照れてしまう。

でも、ダメダメ。
今はまだ仕事中。

「それですと、書店員としては、失格です」

私は動揺を誤魔化すようにイケメンさんに言う。

『そうかも知れませんね』

そう言って本に目線を置き、すぐにイケメンさんは微笑んで私を見た。

『そうお思いになるなら、僕の貴方に対するクレーム処理として、閉店後に時間を頂けませんか?』
「え?」

私、このイケメンさんと、個人的に会うと言うこと?
< 9 / 439 >

この作品をシェア

pagetop