もう一度君の笑顔を
戸惑い

友紀side

「高城さん」


外回りに向かう途中で声をかけられた。


振り返れば、マーケティングの女子社員が3人ほど立っていた。



一人は見覚えがある。確か、佐々木さんとか言って、美人で有名だ。


そして、一番初めに、光輝と食事に行ったと報告して来た人でもある。


「何か用ですか?」


冷静に返すつもりが、警戒心が隠しきれなかった。


「とってもいいお友達をお持ちね・・・」


「は?」


何の事がさっぱり分からず、間抜けな声が出てしまった。



「林梨花さんのことよ」


「・・・梨花がどうかしたんですか?」


「やっぱり知らないのねぇ〜。」


クスクスと馬鹿にしたように笑われて段々イライラしてきた。


「だから、何なんですか?!!」


強い口調で尋ねると、佐々木さんは笑いながら答えた。


「林さん、中野さんを食事に誘ったそうよ。」


クソ意地の悪い笑みを浮かべながら勝ち誇ったように笑う。



でも、私は、その言葉で一気に冷静になった。


眉間に皺を寄せて、早めに帰った梨花が脳裏に浮かぶ。


あの日か・・・。


その表情を誤解したのか、笑いながら続けた。


「友達と別れて間もない元カレを食事に誘うなんて、どういう神経してんのかしらね〜。」



その言葉で、いい加減キレてしまった。


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