もう一度君の笑顔を
現実

友紀side

金曜の夜に光輝と別れた私は、土曜日を泣いて過ごして、日曜日は何もせずに引きこもった。



日曜にはもう涙が出なかったのかと聞かれればそうではなくて、日曜日まで泣いてしまったら、月曜日の顔がエラいことになってしまうからだ。


だから、日曜日は、溢れて来る涙を部屋で一人、必死に堪えた。



誰も見ていない所でまで、なぜ涙を堪える必要があるのか・・・


ただの意地だ。


営業で外回りに行くからとか、梨花に心配をかけたくないからとか色々理由も付けてみたが、結局は意地なのだ。


光輝と別れて傷ついている事を会社の人間に知られたくない。


特に、彼と食事に行った子達には。



ホントに可愛くない女だと思う。


それでも、これが私だから仕方ない。


きっと私はこの性格のまま一生一人で生きて行くのだろう。



そんな悲観的な考えしか浮かんで来ない。



まぁ、努力の甲斐もあって、月曜日は普段と変わらない顔で出勤できた。




いつも通り出社して、エレベーターを待つ。


すると、隣に誰かが来た。


一応顔を確認したが、顔見知りでは無かったので前を向くと、向こうから話しかけて来た。



「今週は、私が誘ってもいいですか?」


その声に驚いて横を見れば、先週の子とは違うが、これまた可愛い子だった。



「今週は、私が中野さんを誘ってもいいですか?」


可愛い顔から出る挑戦的な雰囲気に狼狽えつつも、平静を装いながら言ってやった。



「私にはもう関係ないことだから。」
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