Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記
え……?


今、誰かの声がしなかった?


私はぎゅっと閉じていた目をゆっくりと開けた。


私の指に、細長い指が優しく絡まる感触がする。


恐る恐る下に向いていた顔を上げると…。


「花音……」


にっこりとほほ笑んだ海司の顔が見えた。


うそ…。


これは、夢…?


「それ、本当のこと?」


「か、いじ?」


「俺のことが好きって…。本当?」


海司の問いに、私はコクリ頷いた。


「本当だよ。

私、海司が好き。

大好きなの。

唯にも、誰にも海司を渡したくない。

ずっとずっと、海司のそばにいたいの」


もう絶対に、離れたくないの。


これ以上自分の気持ちに、嘘なんかついたりしない。


「すげぇ、うれし…」


少し掠れた声で言って、またにっこり笑う海司。


そして、ゆっくり身体を起こした。


「花音……」


私の名を呼んだかと思ったら。


海司は、ぎゅっと私を抱きしめた。


「俺も…、好きだよ…。

絶対に離さない……」


「うん…。うん……っ!

ありがとう、目を覚ましてくれて。

ありがと……っ、海司」


夕日が差し込む病室で。


海司が目を覚ました喜びを噛みしめながら。


私達はしばらく抱きしめ合っていた。
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