ミントグリーン~糖度0の初恋~
「……あれ?どした?」
真っ赤な顔で俯いてしまった私に戸惑ったように、工藤さんは頭を撫でるのを止めて
「あ…ごめん。
気安く触っちゃったね」
申し訳なさそうに手を引っ込めたので、私はブンブンと首を振った。
「ち、違うんですっ。
大学生の方相手に…えっと、下らないことで得意になんてなっちゃったから…その…」
私の反応が意外だったのか、工藤さんは目を丸くして私を見ていたが、やがてブッと吹き出した。
「何それー。
千波ちゃん可愛すぎ。
俺、間違っても呆れたりとかしてないよ?
それより、俺の名前をステキだって言ってもらってめちゃくちゃ嬉しかった」
俯いていた私がそろそろと顔を上げると、顔をくしゃくしゃにして工藤さんが笑っていた。