私の人生を決めてください
平静
彼と最後に会ってから半年が経とうとしている。

死ぬほど辛いと思っていた日常は日に日に和らぎ、耐えられなかった現状を直視できるようになっている。

時間の流れとはすごいものだ。

逆にこんなにも自分は薄情なのかとも感じてしまう。


離れるのがあんなに辛かったのに

会いたくて仕方なかったのに


思い出せばまだ胸はチクリと痛い。

それでも彼が思い出になろうとしている。

直接な別れを彼が告げなかったのは、わたしに生きる余力をくれるためだったのかもしれない。



今わたしは京都に居る。

今日は年に一度の社員旅行。




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