君と私の5年間。
思えば、辻沢高校に来たのは奏人もこの高校に行くと聞いたからだった。

自分の進路というよりかは、『奏人と過ごせる学校』という選択の仕方だった。

だから、当然ながら親には反対されたし、受験勉強も辛かった。

でも、本当に辻沢高校に来て良かったと思えた。

あの時、三喜高校へ行っていたら会えなかった人がいる。

奈穂ちゃんや、結子ちゃん、那美ちゃんに船橋くん。

もうすでにこの頃にはバラバラになっていたメンバーだけど、会わなきゃ良かったなんて思った事は一度もない。

グループLIME、集いで話したこと。

ボイスメッセージでふざけあったこと。

放課後部活サボって喋ってたこと。

私は中学校時代から地味メンで。

青春らしい青春なんてしてこなかったけれど、あのメンツと過ごした時期は、少しでも普通の高校生になれてた気がした。

だからこそ...元のふざけあってた仲のいい集団に戻りたいと、この頃ふと、思いました。

そして2月。

私はかなりのおばあちゃんっ子だったんですが、1番慕っていたひいばあちゃんが亡くなってしまって。

亡くなった時に泣いて、お葬式では何度泣いたか覚えていないくらい泣いて。

親戚中の誰よりも泣いてしまってた。

そんな、本当に辛い時、奏人から個チャが来て。

『よかったなーw席替え左後ろの一つ前だぞw』

という内容で、ありがとうみたいなことを言うと『おうwはよーこいよw』と言ってくれて。

1番慕っていたひいばあちゃんが亡くなって、本当に辛かったけど、でも奏人からのLIMEは嬉しかった。

他にも何人かからLIMEが来て、励ましてくれて、本当に救われた。

そしてとうとう、舞台は奏人とクラスが離れる、高校2年生となります...。
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