ドラマチック・ロマンス
居酒屋から、出てきた私たちは信号待ちをしている。
  

雨は、すっかり上がった様子だ。



あれから私たちは二時間ほど喋ってしまい、もう11時を回ってしまっている。


主に、小学校、中学生時代のことで、アイツはもう結婚したとか、あの子はこどもがいるなど、些細なモノだ。



伊吹は、寒そうにブラックのコートに両手を突っ込み白い息を吐いている。



「そういえば!」



「ん?」



伊吹は、優しく私を振り返り首を傾げる。


「伊月(いつき)は元気?」



すると伊吹は、私を見ずに信号方を向いてしまった。



「元気だよ。」



・・・あれ、なんか元気ない?



「あいつの方が気になる?」



私は、声が聴き取れなくて「へっ?」っと間抜けな声を出してしまうも、伊吹は、「何でもないよ!」っと言い、信号を渡ってしまった。

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