ドラマチック・ロマンス
「じゃあ、もうずっと家族といられるんだな。良かったじゃん。」


伊月には家族がいる。伊月は俺と違って結婚しているんだし、家族と離れ離れだなんて、やっぱり嫌だよな。



「いや・・・・」



なんやら、伊月の歯切れが悪い。苦笑いをして、俺を横目に見る伊月。



「え、何?」



なんだよ、その困った様な変な顔は!伊月っていつも困ったときはこんな顔をするよな。



「実はさ・・・家の表札に一人ずつ名前書いてあんじゃん?それがさぁ、俺の名前が消されてたんだ。」




「・・・・・・・・・・へ?」




え? 俺の聞き間違いか?


伊月と家族の家は、丁度実家の駅から5つ目にあるところで、すごくのどかなところだ。


奥さんの、明香音(あかね)ちゃんと、息子の勇太(ゆうた)の3人で仲良く暮らしていたはずだけど・・・



「おまえ、何年家空けてたんだよ。」



「6年・・・・・・」



「マジか」


おいおい・・・
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