【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「あ、そういえば」
拓磨くんがなにかを思い出したように声を発する。
「ん?どうしたの?」
「さっき父親からメールが来てて、母親が平日の夕方以降しか都合のいい日がないらしくて……。だから、その日だけ家まで送ってやれないかも」
「そうなんだ!いいよ全然!私、1人でも帰れるよ」
「そっか。ならよかった」
1人で帰るのは寂しいけど……でも、拓磨くんがお母さんとの久しぶりの再会するんだもん。
ワガママは言えない。
拓磨くんのことを応援してあげなきゃね。
「拓磨くんのお母さんって、どんな人か気になる!拓磨くんがカッコいいから、きっとすっごく美人なんだろうなぁ~……」
「母親の記憶……小さい頃で止まってるけど、確かに美人な方かも」
「やっぱりそうなんだ!」
一回でいいから、会ってみたいな。
拓磨くん想いで、美人な拓磨くんのお母さんに。
きっと、素敵な人なんだろうな……。