そんだけ。―『好き』が始まった日の話。
だから今でも、思い出すのは透き通った青。
思い出は、水の青。



じんべいざめの大水槽の前で、二人座り込んだ。

大きな大きなじんべいざめが目の前に来るたびに、二人で小さな歓声をあげた。

四回目にじんべいざめが来たとき、あたしは思い切ってその人の方を見た。


白い肌に映った青。


やっときちんとその人の顔を見ることができて。

おなかのあたりがきゅってなったあたしは、じんべいざめにこっそり感謝した。
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